私たちが聞いた、長谷の声

こんにちは、チームすしです!

私たちは、5月21日に大分県豊後大野市長谷地区に行ってきました。

そこで見聞きした、長谷地区の様子をお届けします!

 

御仮屋について〈writer is オムライス〉

まず、御仮屋が何かということについてですが、神輿が一時とどまる場所で、御旅所(おたびしょ)や行宮(あんぐう)などとも言います。

神輿が渡御(練り歩き)した際に立ち寄り神事を行ういわゆる中継地を意味し、祭の際に臨時に建てられる建造物です。私は最初に見たとき、想像より広くて驚きました。神様が一時的にとどまる場所と聞いていたので、もっと狭くて簡単な小屋のようなものだと思っていました。

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写真を見ていただければわかると思いますが、実際は神社と同じように鳥居があり、鳥居の真ん中を通るのは神様だけで、人間は右か左のどちらかを通ってお参りしなければならないと教えていただきました。

神様がとどまる場所とだけあって、周りはとても閑静な雰囲気でした。

御仮屋という存在自体今まで知らなかったわたしにとって、とても興味深いお話しを聞くことができたので良かったです。私のように、御仮屋のことについて知らない人は多いのではないでしょうか。日本の伝統的な文化を守っていくためにも、まずはこのようにブログなどを通して発信していくとこが第一歩かな、と思います。地域の高齢化が進む今だからこそ、若い世代が中心になって動いていくべきだと感じました。機会があれば、また違う地域の御仮屋も訪ねてみたいと思います。

 

お祭りについて 〈writer is メイ〉

渡辺さんの紹介によると、長谷地区の熊野神社年に二回の祭りがあります。

春は豊作を祈願し、秋は豊作に感謝して奉納されます。お祭りのときは御神輿を担いで神殿から鳥居前までの石段を移動して、そこから柴北川を渡って、御仮屋まで移すそうです。その時は獅子舞いと神楽の奉納が行われて、神様を迎えるそうです。

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熊野神社を参拝した後阿蘇神社へも参拝しました。阿蘇神社は32年に2回行事が行われるそうです。お祭りは熊野神社と同じく、春は豊作を祈願し、秋は豊作に感謝して奉納されます。

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しかし、ご説明してくれる渡辺さんによると、長谷地区では過疎化によって、伝統芸能の担い手が不足している状態にあります。以前は小、中学生が参加して神楽をしていたのですが、今は少子化によって残念ながら地元の長谷小学校も廃校になってしまいました。平成22年廃校になったときは12名の生徒しかいなかったそうです。

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長谷地区の森、川、田畑、お祭りなどを守るために、ここの豊かな自然環境や伝統文化などの地域資源を生かして、個性のある魅力的な地域づくりを進めなければならないと思います。

 

 

長谷地区の神社と手水のお作法〈writer is イス〉

今回長谷地区に行って見てきた美しい神社を紹介したいと思います。

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まず、このような長い畑の道に沿って行くと熊野神社に着きます。

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参拝の前に手と口を清める手水場があります。これにはこのような作法があります

1.右手でひしゃくを持って水を汲みます。この水だけで以下のステップすべてを行います。
2. 左手にかけて洗います。
3. ひしゃくを左に持ち替えて、右手を洗います。
4. 再度ひしゃくを右に持ち替えて、左手に水を受けて口をすすぎます。
5. 左手を洗います。
6. 最後にひしゃくを立て、自分が触れた柄の部分に水をかけて清めます。
7. ひしゃくを伏せて置きます。

一見すると難しそうですが、「左手・右手・左手で受けて口・口をゆすいだ左手・ひしゃくの柄」の順番です。実際やってみると流れ作業のように、動作がスムースにつながるはずです。

 

清めた後、鳥居を通って行くと美しい熊野神社が見られます。

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神殿は毎年見られますが、神殿裏に「熊野宮」と彫ってあるのを30年ぶりに見るのが可能になったそうです。去年までは木で覆われて全く見えなかったそうです。これが見られるなんてラッキーでした。

 

続いて阿蘇神社に行きましたが、その前に黒松阿蘇神社鳥居を紹介したいと思います。

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この鳥居は県内で最も古い鳥居の一つで、市指定有形文化財として登録されています。この鳥居は高さは3.15m、石材は太く、笠木の反り及び反増はほとんどないです。銘文はないですが、古風な特徴から南北朝時代に建立されたと考えられています。

 

この鳥居を通って神社に向かうと、神社の入り口に狛犬があります。

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狛犬が何かというと、神社に奉納、設置された空想上の守護獣像です。本来は「獅子・狛犬」といい、向かって右側が口を開いた角なしの「阿像」で獅子、左側が口を閉じた角ありの「吽像」で狛犬です。阿吽の形になっているのは日本特有の形式で、中国の獅子像などは、

ほとんどが両方とも口を開いていて「阿吽」にはなっていません。

 獅子・狛犬はもともと別の生き物(空想上の霊獣)ですが、現在ではこの左右別の形状という形式を残したもののほうが少なく、形としては阿吽共に獅子に近いものが多いでしょう。逆に、呼び方は「獅子・狛犬」の獅子が消えて単に「狛犬」に定着しています。

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阿蘇神社に入ったら、このように神社と似合わない棒で支えられている神殿が見られます。予算の問題と高齢過疎化によって手入れが不足し、その結果、このように棒だけで支えておくようになりましたが、このままでは美しい長谷地区の神社を維持できないかもしれません。

 

神宿橋について〈writer is キョー〉

豊後大野市指定有形文化財で、柴北の犬飼中心部と長谷地区を結ぶ主要路上の柴北川に架かる石造アーチ橋です。

長さは27.8m、径間21.9m、幅3.35mで、大正10年に完成しました。

この橋は現役で、すぐ近くにあるバス停の名前も「神宿橋」です。以前の神宿橋は夏季の増水等で、度々破 損したり流失したりしていましたが、村費負担に加え、部費の補助、篤 志家の寄付等により、大正9年には工事にとりかかることができて、翌年5月には現在の橋が作られました。

私が長谷に行った時、初めて見たこの橋が80年前に建築されたというのがすごく驚きました。完璧だったし、石の形もデリケートでした。さらに、橋が周辺に溶けて、美しい風景を紡ぎ出しています。橋を見ながら、この橋をためにすごく努力した村長さんや村人たちの情熱を知ることができました。また、地域の方にとって大切な橋だったということを十分に理解することができる文化財でした。

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柴北川について〈writer is シオネ〉

柴北川は長谷地区に流れる長さ24kmの一級河川で、川の生き物たちもたくさん泳いでいる、とても綺麗で豊かな川です。具体的には、アユ、うなぎ、カニやスッポンなどの生物がいるそうです。

しかし、この川の生き物たちを無断で捕ることは禁止されています!柴北川で生き物を捕るためには、柴北川を管理している団体にお金を払って組合員になる必要があります。

 

さて、このようにとても綺麗で豊かな柴北川なのですが、この美しさはどのようにして維持されているのでしょうか?私たちは、この柴北川を愛情を込めて守っている、『柴北川を愛する会』 の渡邊さんにお話を伺いました。

 

『柴北川を愛する会』は、平成18年7月16日に設立された会で、現在の会員数は94名です。

では、具体的にはどのような活動をされているのでしょう。

今回のお話では、次の5つの活動についてお話していただきました。

 

1. 花いっぱいふる里づくり

『柴北川を愛する会』 では、柴北川の流域を中心に、彼岸花や山桜、アジサイ、さくらソバなど、四季折々の花を植えています。とくに彼岸花については、『彼岸花ロード』というものを形成しており、地域の方々だけではなく、長谷地区を訪れた方たちにも喜ばれているそうです(*^^*)

 

2. 竹林整備

『柴北川を愛する会』 では、竹林整備も行っており、竹炭や竹チップ堆肥もつくっていらっしゃるそうです。

この堆肥は健康的な作物をつくる時にとても力を発揮する超有能な堆肥だそうです!

 

3. ゴミ拾い

豊かな命がのびのびと泳ぐ、美しい柴北川。その美しさを守るため、『柴北川を愛する会』 のみなさんはゴミ拾いの活動を行っています。11年前のゴミ拾いでは、約780kgものゴミがあった柴北川。しかし、去年のゴミ拾いで拾われたゴミは、なんと約20㎏!皆さんの献身的な活動のおかげで、柴北川は年々美しくなっています。

 

4. 水質調査

柴北川の水質調査を、大分高専の学生さんたちと行っています。

今回、私たちも水質調査キットを用いて、柴北川の水質調査を体験しました。

家庭から出る生活排水と、柴北川の水質を調べてみたところ…

 

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その違いは一目瞭然!!濃いピンクの反応があった柴北川の水質は非常に高く、とてもキレイなことが分かりました。

 

5. 都市部との交流

『柴北川を愛する会』 は、『九州郷づくり共助ネットワーク研究会』 と交流し、地域づくりの手法も学ばれているそうです。

 

このように、『柴北川を愛する会』 のみなさんの活動、そして、長谷地区の方々の愛情で、毎日美しく流れる柴北川。これからの季節は、夜になるとホタルも見ることができます!

 

ぜひ、お昼は柴北川流域の豊かな自然に癒され、そして夜はホタルたちの幻想的な光に魅了されるステキな一日を、長谷地区でお過ごしになってはいかがでしょうか?(^^)

 

〈参考文献〉

(御仮屋について)

www.jinjya.com/menu/mame/been05_03.html

(神社について)

http://i-nagatani.jp/tiiki/51_281220.html


 〈メンバー〉

・メイ

・イス

・キョー

・オムライス

・シオネ